大げさな表現に聞こえてしまうかもしれないですが、
会社の代表が決める経営の方針は、一緒に働くメンバーにとって非常に大きな影響を与えるものです。
なぜなら、
方針を決めることで、メンバー全員の仕事における時間の使い方が決まってくるからです。
山登りで例えるならば
・Aという道が山頂に続いているのか。
・Bという道が山頂に続いているのか。
地図がない場合、どちらが正解なのかは、進んでみなければわからない。
違うと思ったら、すぐに方向転換をしなければいけない。
会社に関わる人数が多ければ多いほど、方針づけの影響力は大きく、方針を決める人の責任は重大です。
こういうことは考えていますと、
代表として、いかに短い時間で、成果をだす方針をだせるか。
もちろん、成果をだすために、時間を投下して努力するのは当たり前です。
ただ、
同じ時間を投下するならば、いかに成果に直結するメンバーの努力を結集できるかが大切になってくると考えています。
この視点において、
マッキンゼーのコンサルタントとして25年も最前線で活躍された、山梨広一さんの努力の定義が参考になります。
著書「いい努力」の中で7つのポイントを挙げていたので、
改めて自戒をこめて自分の解釈を書いておきたいと思います。
①「成果」につながるもの
3年間、雨の日も風の日も、手塩にかけてりんごの木を育てたが、一つも実らなかった。これは「いい努力」ではない。
「いい努力」とは、その努力をした結果、成果が出るもの。りんごの木を育てるなら、りんごを実らせることがいい努力だ。
②「目的」が明確なもの
成果とは結果であり、すぐに出るものではない。何をすれば成果につながるか、100%はわからないのが当たり前だ。
その状態で努力をするのだから、大切なのは、1番先に目的を意識し、明確にすることだ。
最終的な目的のへの意識が曖昧なまま目先の目的だけに気を取られて走っていると、やがて「悪い努力」にぶれていくことになる。
「日本一のリンゴ農家になる」という目的がはずが、短期的に成果がでやすいからといって大量の化学肥料で土を痩せされたりしたら、本当の目的から遠ざかることになる。目的を見誤った努力は「悪い努力」だ。
③「時間軸」を意識しているもの
「5年後に県内ナンバーワンのリンゴ農家になる」ことが目的か。「来年、リンゴを100個つくること」が目的か。
どちらを目指すかで努力のやり方は変わってくる。
④「生産性」が高いもの
同じ成果を導けるのであれば、かかる時間やコストは小さい方が望ましい。ただし、これは効率至上主義を勧めるものではない。
⑤「いい充実感」を伴うもの
「いい努力」をしている最中は、フラストレーションや挫折感を感じることが少ない。
逆に、「悪い努力」の場合、やってもムダなことをしたり、本当は必要のない障害を乗り越えるためにエネルギーを費やしたり、進んでいった道が木止まりで戻るはめになったりするので、ある程度精神力のある人でも、ネガティブな感情が生じてしまう。
⑥「成功パターン」が得られるもの
「いい努力」を続けていると、「高い成果をだすには、このパターンの努力がいい」ということが自然とわかってくる。その蓄積によって、たくさんの成功パターンを会得でき、さらにいい努力ができるようになっていく。自分自身の経験のほかに、うまくいっている人から学んで真似ることによって成功パターンを増やしていくことも必要だ。
⑦「成長」を伴うもの
「いい努力」のあとには、「成長」という嬉しい副産物がついてくる。
明確な目的にむかって、期限を意識し、生産性を高める「いい努力」をすれば、自分自身もまわりの環境も進化、成長する。
「いい努力」をする人は、試行錯誤しながら成果に結びつくパターンをつかんでいけるし、まわりの環境がその人の働き方によって変わっていく。