和田昂憲プロフィール|株式会社ただいま代表・地方起業とコーヒー事業
最終更新:2026年9月
和田昂憲プロフィール
株式会社ただいま 代表取締役
茨城県日立市を拠点に、コーヒーを起点とした事業をしています。
自家焙煎コーヒー店やコーヒースタンドの経営、コーヒー豆の卸、
飲食店の開業・運営支援をはじめ、企業研修、学校での授業、
福祉分野での取り組み、若者の挑戦支援など、さまざまな現場に関わっています。
一見すると、それぞれ違う仕事に見えるかもしれません。
けれど、自分の中ではすべて一つの問いにつながっています。
店や会社は、商品やサービスを提供するだけでなく、人が安心し、誰かや地域とつながり、自分の人生を歩むための土壌になれるだろうか。
コーヒーを起点に、経営・教育・福祉・地域を行き来しながら、
商売の現場で実践し、考え続けています。
現在取り組んでいること
1.商売をする
私の仕事の土台は、商売です。
コーヒーを焙煎し、商品をつくり、店を開け、お客様に来ていただく。
スタッフを雇い、給与を払い、取引先と仕事をし、必要な利益を残して会社を続ける。
2018年にコーヒー事業を始め、2020年に株式会社ただいまを設立しました。
現在は「ただいまコーヒーラボ」「COFFEE STAND GENKAN」の店舗運営をはじめ、
EC、コーヒー豆の卸、店舗の開業・運営支援などを行っています。
自社店舗には年間約2万人が訪れ、コーヒー豆の卸先は45店舗以上。
これまで約50件の店舗立ち上げ・運営支援に関わってきました。
社会について考えるときにも、
自分自身が商売の当事者であることを大切にしています。
理想だけでは続きません。
良い商品をつくること。
お客様に選んでいただくこと。
働く人の生活を守ること。
利益を生み、会社を継続させること。
その現実の中で、社会に対して何ができるのかを考えています。
2.コーヒーを通じて、学びと対話の場をつくる
コーヒーには、正解が一つではありません。
同じ一杯を飲んでも、
「甘い」と感じる人もいれば、
「酸っぱい」「花のよう」「果物みたい」と表現する人もいます。
その違いを言葉にして、他の人の感じ方を聞いてみる。
そこから自然に対話が始まります。
この特徴を活かし、企業ではコミュニケーションやチーム形成、
学校では自己表現や他者理解、商品開発などにつながるプログラムを行っています。
これまで企業研修、学校授業、セミナーなどで関わった方は、
累計5,000人を超えました。
「コーヒーを学ぶ」だけではなく、「コーヒーで学ぶ」。
味覚や嗅覚を使うからこそ、知識だけではない学びが生まれる。
それも、コーヒーの面白い側面だと思っています。
3.店や会社が、地域で果たせる役割を探究する
店を続けていると、売上や客数だけでは説明できない出来事に出会います。
何度も通ううちに、スタッフと顔見知りになる。
少し元気がない日に、短い会話をして帰る。
仕事や家庭、進路について、ふと話が始まる。
お客様同士が知り合い、話を聞き合う。
店で働くことで、自信や役割を取り戻す。
必要なときには、地域の誰かや専門機関につながる。
そんな場面を何度も見るうちに、
カフェや店舗には、商品やサービスを提供する以上の役割があるのではないか。
と考えるようになりました。
もちろん、カフェが行政や福祉の専門的な支援を代替できるとは考えていません。
むしろ、そのもっと手前です。
「相談に来ました」と言わなくても、コーヒーを飲むためなら店に入れる。
属性や困りごとを申告しなくても、その場にいていい。
何度か通えば、顔見知りができるかもしれない。
そんな日常と制度の間にある場所に、
大きな可能性があるのではないかと考えています。
現在は、その役割を
「予防的な日常接点」
という言葉でも捉えながら、店舗、教育、福祉、企業研修、地域活動の中で実践しています。
数字で見るこれまで
- 2018年
- コーヒー事業を創業。2020年に株式会社ただいまを設立。
- 年間約2万人
- 自社店舗でのお客様との接点数。
- 約50件
- 店舗立ち上げ・運営支援。
- 45店舗以上
- コーヒー豆の卸先。
- 累計5,000人以上
- 企業研修・学校授業・セミナー等の参加者。
このほか、Japan Coffee Roasting Championshipでの全国入賞、
東ティモールで開催されたコーヒーフェスティバルでの国際審査員など、
コーヒーそのものの専門性を高める活動も続けています。
なぜ、この仕事をしているのか
こうした仕事をしている背景には、
これまで出会ってきた人や場所があります。
一つの原点は、大学生の頃にとある工場で働いた経験です。
そこで出会った男性から、
「大学に通うあんちゃんみたいな人は、ここにはもう来ない方がいい」
と声をかけられました。
自分には大学へ通い、仕事を選び、環境を変える選択肢がある。
一方で、同じ社会の中に、その選択肢を持ちにくい人がいる。
それまで頭では分かっていたはずのことを、
自分自身の問題として考えるきっかけになりました。
その後も、沖縄で出会った人たち、
児童養護施設や少年院、
住環境に大きな困難を抱えながら暮らす方、
足立区のフードパントリー、
東京・歌舞伎町の「トー横」や福岡・警固公園に集まる若者たち、
海外のコーヒー農園で出稼ぎ労働をする子どもたちなど、
さまざまな現場や人に触れてきました。
一人ひとり、事情はまったく違います。
それでも、多くの現場を見る中で、
強く感じるようになったことがあります。
人がどんな人生を歩めるかは、本人の努力だけでは決まらない。
どこに生まれたか。
どのような教育を受けられたか。
使えるお金があるか。
安心して眠れる場所があるか。
挑戦する機会があるか。
失敗しても帰れる場所があるか。
そして、困ったときに頼れる人がいるか。
そうした環境によって、人が持てる選択肢は大きく変わります。
また、制度や支援が存在していれば、
それだけで必要な人に届くわけでもありません。
困難が深いときほど、自分の状況を整理し、
情報を探し、困っていることを言葉にして、
相談先へ行くことは難しくなります。
現在、株式会社ただいまでは、
この状態を人と制度との間にある「接点の空白」として捉えています。
創業から変わらないもの
株式会社ただいまを始めたときから、
目指している社会は変わっていません。
VISION
どのような環境に生まれても、誰もが帰れる場所と頼れる人を持ち、
安心の中で自分の人生を歩める社会。
MISSION
ただいまをつくる、お手伝い。
変わったのは、目指す方向ではありません。
そこへ向かうための、手段の解像度です。
創業した頃は、コーヒーやカフェを通じて、
人がほっとできる場所をつくれたらと考えていました。
店を経営し、お客様と話し、スタッフと働く。
学校へ行く。
企業で研修をする。
福祉の現場に関わる。
開業する人を支援する。
地域の人たちと一緒に活動する。
そんな実践を重ねるうちに、
コーヒーやカフェの新しい側面が見えてきました。
コーヒーやカフェだからできること
「相談しに来ました」と言わなくても、カフェには入れます。
一杯のコーヒーを飲むという目的があるから、
その場にいることも不自然ではありません。
何度も通えば、顔見知りができます。
短い会話が生まれます。
誰かの存在を知ります。
地域の情報に触れます。
ときには、相談や挑戦のきっかけが生まれます。
学校では、同じコーヒーの味や香りを違う言葉で表現することで、
他者との違いを知ることができます。
企業では、それが対話や相互理解につながることがあります。
開業支援や卸を通じて地域の店が増えれば、
自分たちの店舗以外にも、
人が立ち寄り、誰かと関係を持つ場所が増えていきます。
コーヒーという日常的な商品だからこそできること。
カフェという商業空間だからこそできることがある。
そんなことが、少しずつ見えるようになってきました。
「ただいま」が生まれる条件を探究する
現在は、さらに一歩進めて、
「ただいま」が生まれる条件を、
感覚だけではなく、実践と検証を通じて明らかにしたい。
と考えています。
日常的な利用から、
安心 → 顔見知り → 対話 → 相談 → 参加 → 挑戦・役割
と、人と場所との関係はどのように変わっていくのか。
そこには、店舗の入口、座席配置、スタッフとの距離、
声掛け、商品、イベント、地域情報、店内の雰囲気など、
どのような要素が影響しているのか。
現在は「ただいま経験レベル」という仮説も置きながら考えています。
安心、顔見知り、対話、相談、参加、役割といった変化を測りながら、
店舗の空間・接客・運営の条件を整理し、
他の店舗や地域でも活用できる形へつなげる構想です。
目指しているのは、
福祉施設のようなカフェをつくることではありません。
普通においしいコーヒーを飲みに行ける店が、
結果として人と地域を少しだけなめらかにつないでいる。
そんな状態をつくれたらと考えています。
これまでの歩み
茨城県日立市出身。
中学生の頃に純喫茶へ行ったことをきっかけに、
コーヒーに興味を持つようになりました。
立命館大学国際関係学部へ進学。
学生時代には、国内外のさまざまな場所を訪れながら、
社会や人の選択肢について考えるようになりました。
卒業後は、喫茶文化の根付く愛知県の企業で約2年間勤務。
その後、茨城県のビジネスコンペティションでの入賞をきっかけに
地元・日立市へUターンし、2018年にコーヒー事業を創業しました。
2020年、株式会社ただいまを設立。
現在は会社経営を軸に、
コーヒー、店舗、教育、企業研修、福祉、若者支援、
地域での活動を続けています。
主な実績・活動歴
- 2018年 茨城県日立市でコーヒー事業を創業
- 2020年 株式会社ただいま設立
- Japan Coffee Roasting Championship 全国入賞
- 東ティモール・コーヒーフェスティバル 国際審査員
- 店舗立ち上げ・運営支援 約50件
- コーヒー豆卸 45店舗以上
- 企業研修・学校授業・セミナー等 累計5,000人以上
- 自社店舗 年間来店約2万人
- 企業・自治体・学校等での研修、講演、授業
- 一般社団法人茨城frogs 理事・メンター
- 社会福祉法人日照養徳園 監事
取材・掲載・外部での紹介
これまで、地方での起業、コーヒー事業、
地域や居場所づくりなどについて、さまざまな媒体で取材・紹介いただきました。
ETIC. 社会起業塾
「コーヒーの力で、誰もが希望をもてる社会へ」をテーマに、
株式会社ただいまの取り組みを紹介いただいています。
茨城県 移住定住ポータル Re:BARAKI
日立市へのUターンやコーヒー事業の立ち上げ、
「ただいま」と言える場所について取材いただきました。
いばしごと
株式会社ただいまの採用や組織づくり、
「なぜこの事業をしているのか」を言葉にすることについて紹介いただきました。
日立市
日立市で活動する地域の実践者として、
市の広報・シティプロモーション等でも紹介いただいています。
現在の所属・役割
株式会社ただいま
代表取締役
一般社団法人茨城frogs
理事
社会福祉法人日照養徳園
監事
所属や肩書きは違いますが、
自分の中にある問いは共通しています。
人が安心して挑戦できるためには、何が必要なのか。
それを、それぞれの現場から考えています。
このブログについて
このブログには、コーヒー、店舗経営、地方での事業づくり、
組織、教育、福祉、地域、日々の経営について、
現場で考えたことを書いています。
完成した答えを提示することよりも、
「現在の自分はこう考えているけれど、どうだろう。」
という議論の叩き台を残すことを大切にしています。
実際、ブログに書いたことを社内で共有し、
そこから対話が始まることもあります。
考えは、経験や学びによって変わります。
だからこそ、その時点で考えていることを言葉にする。
実践して、振り返って、また考える。
このブログは、その記録です。
テーマ別に記事を読む
関心のあるテーマから、これまでの記事を読んでいただけます。
これから
会社を強くすることも、大切な目標です。
良い商品をつくる。
売上をつくる。
利益を残す。
雇用を守る。
良い仕事をして、より多くの人に選んでもらう。
事業が続かなければ、社会に対してできることも増えていきません。
一方で、私にとって会社が成長することは、
数字だけが増えることでもありません。
仕事を通じて関わる人が増え、
その人たちの人生の一部に少しずつ触れるようになることでもあります。
嬉しい出来事も、悲しい出来事も、心配することも増えていく。
その関係性を引き受けながら、
関わる人の人生にとって意味のある会社を育てていきたいと思っています。
まだ、答えはありません。
だから店を続けます。
コーヒーを深く学びます。
商売を強くします。
人や組織について考えます。
教育、福祉、地域の人たちとも関わります。
現場で起きたことを観察し、
言葉にして、また試します。
目指している場所は、創業した頃から変わっていません。
どのような環境に生まれても、誰もが帰れる場所と頼れる人を持ち、
安心の中で自分の人生を歩める社会。
そのために、自分たちにできる
「ただいまをつくる、お手伝い。」
の解像度を、これからも上げ続けていきます。
仕事・活動について
企業研修、講演、学校での授業、
コーヒー事業、店舗開業・運営支援などについてのご相談も承っています。
考え方に影響を受けた「社会的共通資本」
こうした考え方を整理するうえで、
大きな影響を受けているのが、
経済学者・宇沢弘文氏の「社会的共通資本」という考え方です。
社会を支えるものは、
市場で売買される商品や個人の財産だけではありません。
教育、医療、自然環境、地域の基盤など、
誰もが人間らしく生きるために必要であり、
社会全体で大切に育てていくべきものがあります。
私自身は、この考え方に触れる中で、
人が人生の選択肢を持つためには、
お金や制度だけではなく、
安心して戻れる場所や、困ったときに頼れる人、
日常の中で誰かとつながれる関係性も
重要な基盤なのではないか
と考えるようになりました。
株式会社ただいまで考えている「ただいま」も、
単なる居場所ではありません。
人が「やってみよう」と思えるための安心や信頼、関係性を、
地域の中に少しずつ増やしていくこと。
そのために、コーヒー店や会社という日常的な場所に
何ができるのかを考えています。