コンビニでまた興味深い商品を見つけました。
UCC BLACK無糖 スペシャルティコーヒーブレンド リキャップ缶275g
https://www.ucc.co.jp/company/news/2025/rel250508.html
Uganda African Moon Donkeyのスペシャルティコーヒー規格のナチュラルを51%使用し、
春を思わせるやわらかなベリーの余韻が楽しめるBLACK。
実際にアイスコーヒーで飲みましたが、深煎りの中にベリー感も香り、美味しかったですね。
たしか260円(税込)程度だったと記憶しています。
大手企業が、量販店やコンビニでスペシャルティコーヒーを使った商品を販売することはインパクトが大きいです。
スペシャルティコーヒーという言葉は、まだまだ一般的な言葉ではありません。
詳しい解説は別な記事で書くとしまして、、、
とても簡単に言えば、
・コーヒーの栽培から流通まで、一貫して高い品質管理が徹底されることで生まれる、風味が素晴らしいコーヒー豆
・そのため、大量流通品と違い、流通量も数%で希少性が高いコーヒー豆
という感じでしょうか。
予想販売本数は公表されていませんが、いまあるデータとAIと壁打ちしながら概算をしてみます。
前提条件
・販売先:コンビニ、量販店、Amazonや自社サイト
・期間限定販売:アイスコーヒー狙いだと思うので、4ヶ月間くらいでしょうか。
計算公式
総販売数=採用店舗数(コンビニ、量販点)✖️(初回仕入れ箱数+追加発注箱数)+アマゾンや自社通販サイト
・全国のコンビニ店舗数(2024年3月末)=5.7万店 × 想定採用率 30% → 1.71万店
・量販店(2025年4月末)=2.3万店× 想定採用率 30% → 0.69万店
・初回仕入れ箱数(24本入り)なので1箱
・追加発注箱数=1回〜2回
コンビニ
採用:5.7万店×30%=1.71万店
本数:1.71万×30本×(1+1.5回) ≒ 129万本
量販店
採用:2.3万店×30%=0.69万店
本数:0.69万×30本×(1+1.5回) ≒ 51.7万本
アマゾン(これは完全に予測値):月1000箱✖️4ヶ月=4000箱(9.6万本)
自社サイト:月500箱✖️4ヶ月=2000箱(4.8万本)
合計:129+51.7+9.6+4.8=195.1万本
結論:この商品の予測販売数は、195.1万本でした。
どうですかね。
これをざっくり使用するコーヒーの生豆に計算し直すと。。
275cc:20g使用した場合
約39トンの生豆を使用。
これは、中規模のコーヒー精製所の1年間の生産規模と同等です。
ちなみに、我々の会社では年間6.1トンくらいの生豆を使用しています。
大手が“スペシャルティ缶”を1プロダクト出すだけで、
地域単位のコーヒー経済を動かすボリューム感があるんですね。
やはり規模の経済は強い。
UCCさんは、過去にもゲイシャを使ったコーヒーを出していたり、
大手企業の中ではスペシャルティコーヒーに力を入れている企業だと考えています。
スペシャルティの専売特許だったマイクロロースターの立場では、
ネガティブに感じる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、僕はわりと賛成です。
大手企業がスペアシャルティコーヒーという言葉を使えば使うほど、
日本全体のコーヒーへの関心は高まっていくことが期待されますから。
先日のカフェインレスコーヒーの販売といい、引き続き大手企業の動向に注目をしていきたいと思います。