谷原誠さんが書かれた本を読みました。
質問収集癖のある僕にとって、気づきがたくさんあったので、ブログにも書き残しておきます。
谷原さんは、1968年生まれの弁護士です。
企業法務、税法、人身損害賠償、不動産問題などの案件事件を、鍛え合えた質問力・交渉力・議論力などを武器に解決されています。
引用文献には、名著であるD・カーネギーさんの人を動かすや、ソクラテスの弁論術。
そして、反対尋問(旺文社文庫)などが活用され、単なる質問の仕方というよりかは、
人の行動心理を暴くような内容になっています。
勝ち負けがでる裁判や訴訟問題を扱ってきた弁護士さんだからこそ書ける、人をコントロールする誘導尋問なども書かれており、
なかなか過激な質問もあり、真似はできないなあという部分もありましたが、質問の強力さを思い知る内容でした。
いくつか気になったところを書き残しておきます。
人間は自尊心のかたまりです。人間は、他人から言われたことには従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従います。
だから、人を動かすには命令をしてはいけません。自分で思い付かせればいいのです。人を育てるにも質問すること。
質問をすることは、相手に強制的に考えさせていること。なので、答えやすい質問にすることが大切。
相手への礼儀として、なるべく相手に負担をかけないようにする。
例えば、
・いきなりTVの画素数は聞かない。
・親友だとしても、正直に言うと答えにくい質問。それらはポジティブに変換すること。
・当社は、どのようにしていれば契約を継続できたでしょうか?。
・当社においてここを変えるともっと良くなる、というところを挙げるとすればどこでしょうか?
人が働く理由
①自尊心を満足させるために働く(お金、快適な生活、名誉、友情など)
②自尊心が傷つくのを回避するために働く(危険を避ける、人からの評価が下がるのを避ける、自己評価が下がるのを防ぐなど)
反論にはポジティブに応酬する
反論されるということは、承諾してもらうためにクリアすべき点が明らかにされた証拠。
例)
・予算がない=本当は買いたい。将来的に利益があがることが証明されること
・必要性がない=モノがいいことはわかったが、将来的に利益がでることを証明してほしい。
・他もみて回りたい=他の商品よりも得だと証明できればOK
・もう少し考えたい=今すぐに決めた方がお得だと証明する
お客様に提案していく時に、頭に入れておくと冷静になれますね。
人が育つ質問
何もできない人間にするには、全てを与えればよい。
・相手の過去の行動を正当化すること。
・過去の行動理由とは関係ない理由によって行動の変更を迫る質問をすること。
・相手が行動を変更したら、賞賛し、今後も継続するよう期待をかけること。
特に子供相手には、大切な要素ですね。
単純な作業、応用を要しない作業、すでに経験があるなどでわざわざ確認をとるまでのない作業の場合には、指示命令で必要最低限の指示をします。
それ以外のきちんと理解が必要な業務に関しては、時間がかかるかもしれませんが、しっかり質問をすることにより、部下が理解しているかどうか確認することが、結果的に迅速かつ正確な仕事をすることにつながります。
その際には、ポジティブな質問が大切。
例えば、
・どうしたらできるようになる?
・できるようになるために、何か手伝えることがある?
・いつごろできるようになる?誰と組んだらできると思う?
・どこで取り組んだらできると思う?
frogsをやっていて、痛いほどわかるもの。
人の自助(自分で自分を助ける力)を全面的に信じつつ、
相手の状況を見極めて、適切に回答の難易度が低い質問に切り替えたり、場合によってはアドバイスとしてギフトすること。
短所を長所にかえる逆転質問
- この状況のどこが短所なの?
- その短所を反対からみると、どういう制限から解放されるのか?
- 短所だと考えた前提を疑ってみると、どういう考え方になるか?
- 前提を崩した上で、その解放された自由を最大限生かすにはどのように考えればよいか?
- その上で、短所をカバーするにはどうしたらよいか?
カーネルサンダースの例がわかりやすい。
- どこが短所:店舗がないので、チキンを売ることができない。
- 短所を反対から見ると:店舗に縛られないので、自由に動き回れる
- 前提を疑ってみると:店舗を持たずにチキンを売ることができるか。チキンを売るのではなく、チキンの味を売ることができるか?
- 解放された自由を生かすには:移動式店舗でチキンを売る。チキンのレシピだけを売る
- 短所をカバーするには:他人の店舗を借りて売る。つまりチキンのレシピを他人に売るフランチャイズビジネスを展開する