お店まで会いにきてくれた後輩との会話の中で、
「周りからのフィードバックを素直に受け取れる力って、成長する人にとってとても大切だよね」という話になりました。
この力は、コーチングの世界では「コーチャビリティ(coachability)」と呼ばれます。
つまり、他者からの助言やフィードバックに心を開き、ときには耳の痛い言葉すら自分の成長の糧にできる力のことです。
もう少しやさしく言い換えると、
“自分にとって都合の悪いことや図星を突かれるようなことも、素直に受け止めて、自分の行動を振り返り、改善していく力”とも言えます。
コーチャビリティが高い人は、
他者からのアドバイスをスポンジのように吸収し、自分の栄養に変えて、より早いスピードで成長し、高い成果をあげる可能性が高いとされています。
そして、その成果によってさらに自信が生まれ、より一層成長していく。
そんな好循環の波に乗っていくことができるのです。
過去を振り返ってみても、圧倒的な成果を出してきた先輩たちは、皆さんコーチャビリティの高い方ばかりでした。
周囲のアドバイスを素直に受け取り、自分の言動にすぐに反映させる。そんな柔軟さと謙虚さを持ち合わせていたように思います。
これはスポーツの世界でも同じです。
たとえば、シドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト・高橋尚子さんの恩師、小出義雄さんは、著書の中でこう綴っています。
「強くならない子は、自分の心を閉ざしてしまっている。
いくら私の経験で強くなるように指導してあげても、扉を閉めていたら入っていけない。
高橋は、いつも扉を開けておいてくれる。だから私が何か言うと、スーッと入っていって、大きくなる。また言うと、また大きくなる。どんどん、どんどん大きく伸びていく。高橋の強さは、そんな素直さなんだ。」
この言葉からも分かるように、扉を開いておくこと、つまり心を開いてフィードバックを受け入れる姿勢が、成長の鍵なのだと思います。
社長という役割を担っていると、気をつけていないとフィードバックを受ける機会が減ってしまいます。
どんなフィードバックに対しても、素直な心で、まるっと受け止め、感謝できる人であり続けたいと思っています。