経営

週次レビュー(2024年7月28日)開業相談、東京、ORの抑圧ではなく、ANDの才能

7月もそろそろ終了。

出来事と雑感

7月がそろそろ終わりますね

残り2日の営業が残っていますが、両店舗ともに、このままうまくいけば目標数値は達成できそうです。ただ、今季から力を入れているパートナー事業部とEC事業の進捗が少し遅れているので、なんとか巻き返したいところです。来週にはまとまった時間をとって、7月のレビューと8月の計画をメンバーに共有できるよう準備していきます。

開業前のお客様へのトレーニングとコーヒー教室

9月頃にカフェをオープン予定のお客様のトレーニングをメンバーと一緒に行っています。飲食経験がほとんどない方ですが、僕からはコーヒーの全体像を話し、好奇心をくすぐる講習を行いました。エスプレッソの全体像や抽出技術に長けたメンバーからは、エスプレッソやラテについてみっちり講習を行いました。お客様からは「沼っています!」(おもしろくてはまっていますという意味)という感想もいただき、よいスタートが切れました。さまざまなマシンに対応するメンバーは本当にすごいと、いつもそばで見ていて思います。コーヒーだけでなく、ビジネス面でもみっちり作戦会議を行い、よいオープンを迎えるために精一杯サポートしていきます。

その日の夜は、店舗でアイスコーヒー教室を開催しました。こちらの講座はインスタで募集したところ、1日も経たずに満席となりました。少人数とはいえ、大変嬉しいことです。お店を営む事業者へのサポートはもちろん、お家で楽しむ「うちカフェ」のお手伝いも引き続き頑張っていきたいと思います。

2回の東京出張

開業前のトレーニングをメンバーに任せ、私は東京へ。社会起業塾の同期が東京に来るということで再会しました。当時の起業塾のオーガナイザーや共通の知人も合流し、それぞれの事業やキャリアの変化について盛り上がりました。

翌日は日立に戻り、先輩が立ち上げた日立ビール醸造所を見学。地元の雑誌の表紙を飾るなど、自治体やメディアからも期待大の醸造所です。中1日空けて、再び東京へ。今回は高校の同級生との会食でした。異業種で働く私たちなので、20代の頃はなかなか一緒に仕事をする機会がありませんでした。しかし、30代になり、それぞれの立場も変わってきて、組織での決裁権を持てるようになると、仕事の場で再会できる可能性が高まります。10年前の学生時代から思い描いてきたことが実現できて、嬉しい瞬間です。やはり、人との繋がりは人生を豊かにしてくれる財産ですね。

日曜日はFrogs

日曜日に東京から帰ってきて、そのままFrogsの研修に参加しました。今回は最初のチームビルドを行う重要な時間でした。選抜生がそれぞれ解決したい社会課題をプレゼンし、共感や共鳴した者同士がチームを組んでいきます。これからサービスピボットや組織の再編成などが起こり、感情が揺れ動く瞬間が多くなると思いますが、ひとまず8月のグローバル研修まで走り切ってほしいです。私もできる範囲でサポートを続けていきます。

ORの抑圧ではなく、ANDの才能

今週行ったメンバーとのミーティングで、改めて腑に落ちたことがあります。それは、「ORの抑圧」ではなく、「ANDの才能」を磨き続けることです。この言葉は、ビジョナリーカンパニーという本で紹介されています。1994年に初版が出版された古い本ですが、経営に携わる人なら誰もが知っている世界的名著だと思います。「有名な企業がどのように成長し、世代交代を超えて繁栄し続けられるのはなぜか」という法則を探るために、18社を分析・比較しています。その中にはアメリカン・エキスプレスやソニー、ウォルト・ディズニーなど、私たち日本人にも馴染みのある企業が選ばれています。抽象的な概念だけでなく、明快なデータをもとに、500ページにわたって偉大な企業の特長を分析しています。

「ORの抑圧」とは、一見矛盾する力や考え方を同時に追求できないとする理性的な見方で、簡単にいえば、白か黒か、ゼロか100かという考え方です。「ORの抑圧」に屈していると、物事はAかBかのどちらかでなければならず、AとBの両方を選ぶことはできないと考えてしまいます。変化か安定か、未来に投資するか目先の利益を追求するか、といった二者択一的な考え方です。

一方、「ANDの才能」とは、さまざまな側面の両極にあるものを同時に追求する能力です。AかBかのどちらかを選ぶのではなく、AとBの両方を手に入れる方法を見つけることです。利益を超えた目的と現実的な利益の追求、理念の管理と自主性の発揮など、一見矛盾するようなことを両立させる考え方です。

例えば、利益とコスト、高品質と低価格、製造オペレーションと顧客満足度、給与とやる気、休みと売上など、どちらも実現しようとすると矛盾するように見えるものです。仕事をしていると、ORの圧力に流されやすい場面がたくさんあります。

我々が掲げているミッション「ただいまをつくる、お手伝い」。人は誰もが「ただいま」と帰れる場所や、しんどいときに頼れる人が一人でもいることが、幸福感に満たされて生きる上でとても重要だと考えています。人は自分が生まれる環境を選ぶことができませんが、だからこそ、生まれた環境に関係なく、「ただいま」と言える場所へのアクセスを失ってはいけないと思います。

我々の会社は、このミッションを遂行する手段として、コーヒーのサプライチェーン、店舗という場所、働くという意味での会社という器を用いています。だからこそ、個人では会社とは別に教育団体の理事や社会福祉法人の委員としても時間を使い、本質的な社会的共通資本や「ただいま」の価値を探究し続けています。

このミッションの特性は、これに沿った行動によってお金をいただけるとは限らないことです。つまり、このミッションを遂行しようとすると、商売上の稼ぎにつながる可能性が低いかもしれないということです。

会社を次のステージに進めるために、以前にもましてPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)に気を使っています。予算を立てること、そしてそれを達成することの優先順位が上がっています。そうなると、時々、行きすぎた効率化や人間らしさを排除した意思決定に偏ってしまう場面が少なからずありました。ORの抑圧に負けそうになるんですね。

でも、こういうときこそ、矛盾した2つのことを同時にかなえるためにはどうすればいいのかを考えることが重要です。
もちろん、ORに流れた方が断然楽です。ただ、それが癖になると信念上も商売上も危険な香りがプンプンします。

ほんの少しだけ、偉大な会社に共通する原理原則のかけらを見つけられたような気がします。
こういう場面に気づかせてくれた、一緒に働くメンバーにはとても感謝しています。
ほんと他社からのフィードバックや対話は面白い。
こういう瞬間が、私はとても好きなので、商いは飽きないのかもしれませんね。

走り書きになってしまいましたが、また改めて整理しておこうと思います。

来週も、期限のある仕事や打ち合わせが多いので、集中力を発揮してがんばろうと思います。

8月はもっと暑くなるのかな。。。

読んだ本など

今週は特になし。来週は、リフレクションの宿題に集中します。