以前の記事で、スタンフォード大学に設立されたNPO法人「ポジティブ・コーチング・アライアンス(以下PCA)」が提唱する理論を紹介しました。
この団体は、「勝つこと」と「人間的成長を促すこと」の両立を目指す「ダブル・ゴール・コーチング」を提唱しています。
スポーツ指導において、ほめることは重要で、
フィードバックの“黄金比率”として以下を提唱しています。
誠実で具体的なプラスの評価5回に対し、建設的なマイナス評価を1回。
会社や組織のカルチャーによって適切な頻度は異なりますが、
僕も仲間にポジティブなフィードバックを送り合える文化が、成果を残せるチームの土台になることは間違いないよなと考えている派です。
ただ、最近こんな声を聞きました。
みんながやりとりを見えるまで、
名指しでポジティブなフィードバックをおくられることに抵抗がある。
例えば、
・会社のメンバーが複数人いる前で、〇〇さんが〇〇が素晴らしかったですね!
・会社のメンバー全員がやりとりを見えるスラック上で、〇〇さんが〇〇が素晴らしかったですね!とフィードバックされること。
ヒアリングすると、
名指して賞賛されると、嬉しいけども、他の誰かから嫉妬とかされそうで嫌。
この方は、
チームの輪の平和を大切にしているからこそ、こういう意見をもたれたのでしょうね。
名指しでの賞賛が「重たい」と感じるのは、「目立ってはいけない」という文化的な思い込みもあるかもしれませんね。
とはいえ、名指しの賞賛はこんなメリットがあると考えています。
・時には名指しで賞賛されても安心できる空気をつくれていること
・他のメンバーが「学びや刺激」を得るきっかけになる
ひとまず、対策として考えたのが、
名前をだすのではなく、賞賛に値する事実と結果のみをチームに共有するというやりかたです。
例えば、
メンバーからの提案で、お店のレイアウトが変わって仕事がしやすくなった場合。
〇〇さんのおかげで〇〇〜と書くのではなく、
「ここのレイアウトが変わって、座りながら作業できるようになり、随分と楽になりましたね!」と書く。
お客さんから特別なお礼をいただいた時。
・〇〇さんの対応が特によかったと書くのではなく。
・田中さん(仮)がとても丁寧にしてくれたスタッフがいて、感激して後日お花を持ってきてくれましたよ。とだけ書く。
本人は、自分のことだとちゃんとわかるし、
チームとしてもポジティブな文化や空気感はちゃんと育まれる。
こういう方法は、価値観が多様なチームの中で、一つの選択肢として有効なんじゃないかと感じています。
引き続き実験してみようと思います。