雑感

「どうしたらいいですか?」から始まる仕事の話

「どうしたらいいですか?」

あらゆる職場でよく耳にするこの言葉だと思います。

一見、やる気があるようにも聞こえるこの問いかけですが、実はあまりレベルの高くない問いかけだと考えています。

本来、仕事における理想の問いかけはこのようなものがベストかなと。

「私はこう考えました。このやり方で進めていいでしょうか?」
→ YES/NOで判断してもらえる形。

整理してみると、以下のレベルにわけられるのではないでしょうか。

レベル1:依存型(指示待ち)
「どうしたらいいですか?」
→ 判断を全て相手に委ねる。自分で考えることを放棄する。一番楽。

レベル2:仮説提示型(確認型)
「こうしたら良いと思いますが、いかがでしょうか?」
→ 自分の考えを持ったうえで確認。受け手はYes/Noで答えられる。

レベル3:提案型(共創型)
「こう考えました。理由はA・B・Cです。A案とB案があり、私はA案がいいと思います。ご意見をいただけますか?」
→ 自分で選択肢を整理し、根拠まで用意。相手の時間も尊重した上で共に最適解を探す。

では、レベル1にとどまってしまう理由にはなにがあるのでしょうか?

①経験・知識が足りない

そもそも、判断に必要な情報を持っていないため、自信が持てずに答えを求めがちになります。新人や新しい分野に取り組む時に多く見られると思います。

②失敗を恐れている

「間違っていたらどうしよう」「怒られたくない」という気持ちが強くなると、
自分で判断することを避けるようになります。
完璧を求める文化や減点主義の職場に慣れていると発生しやすいでしょうか。

③考える習慣が身についていない

「問いに対して自分の仮説を立てる」という思考訓練が不足していると、指示待ちになりやすくなります。過去に「教わった通りにやるのが正しい」という経験が強すぎる場合も要注意です。

④責任をとりたくない

提案をするということは、うまくいかなかった時に自分の責任になることも意味します。そのリスクを避けたい心理が、「答えを教えてください。その通りにしますので」につながります。

⑤安心して発言できる環境がない

過去に否定された経験がある、自分の意見が軽く扱われたことがある。
そんな職場では、自分の考えを出すのが怖くなってしまいます。「意見を出しても大丈夫」と感じられる環境がなければ、自分の仮説をだすことは難しいでしょうね。

では、チームを主導していく人は、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。

僕は、この4つが大切だと考えています。

①安心・安全な文化をつくる
成功も失敗も、全て次の改善に向かうこと。
だからこそ、間違ってもいいから自分の仮説をもって発言することが素晴らしいのであるという文化をつくれるかどうか。

②仮説を聞くコミュニケーションをする
どんな小さなことでも「あなたはどう思いますか?」と問いかけを投げ続ける。
答えを求められた時に、答えを教えるのは簡単で、短期的成果につながりますが、
一手間加えて、問いかけを投げ続けると仲間が仮説をもつ練習にかわります。これをしつこくやれるかどうか。

③小さな成功体験
仲間がもっている情報や状態を観察し、業務の難易度や負荷を調整すること。
仮説を出していただいたら、フィードバックをすること。成功他県を通りて提案する自信をもっていただくこと。

④まずは、リーダーが見本を示して言えるだけの人になる
「この考えでいいと思うけど、どう思う?」といったように、仮説思考を常に見せること

弊社の4つの行動のものさし(いわゆる行動指針)の一つに、「楽しむ」という概念をいれています。

[楽しむ]
仕事も人生も情熱をもって主体的に行動し、創造する。

他の人がつくった基準に従うだけでなく、自分の価値観に沿って自ら決断している感覚を持ち、それを磨いていきましょう。自分で判断し、仕事を創り出す領域を増やしていくこと。必要があれば、新たな仕組みを考え提案していくこと 。
これはなかなか大変なことでもありますが、自分が積極的に関わる領域が増えるほど、楽しさが増していきます。仕事においても、人生においても、それは同じ。
自分のライフステージに合わせた働き方を自ら選択しながら、仕事を含めた人生を、全力で、 一生懸命楽しみましょう。

誰もが大聖堂を建てる発起人である必要はありません。
それでも、自分の“レンガ”を積む意味を見出せたら、それはきっと誇れる仕事になるはずです。

レンガ積みの少年ビジネスの世界でよく引用される、イソップ童話があります。 ある旅人が、レンガを積んでいる三人の少年に出会います。 「何をつくって...

みんなが楽しむを実践できるよう、
まずは自分が一番楽しむを実践できるよう努力をしていきたいと改めて思います。

話はずれますが、
これって、子供の教育でも共通していると考えています。

子供の好奇心を伸ばしたり、自分で考えて判断し成功や失敗への受容力をあげるためには、
必要なコミュニケーションだと思うんですよね。
相手の状態をちゃんと観察できるかが大前提だと思いますが。
そして、そのために、自分が余裕がないととても相手は観察できないとも思います。
コーヒータイムで落ち着ける時間が必要ですね 笑