雑感

相互フィードバックによるダブルループラーニング

今期から会社のメンバーとの目標設定方法を変更しました。

いままでは、僕とメンバーの1対1のコミュニケーションによって目標設定をしていました。
ですが、今季は、複数のメンバー(三人)で目標を設定する方法に変更しました。

やり方は、以下の通りです。

  1. 会社全体の目標を元に、各自の役割の中で目標設定シートを完成させてくる
  2. 集まって、各自の目標を発表する
  3. 各項目に対して、メンバーからフィードバック
  4. フィードバックを受けて、ブラッシュアップした目標を再度設定
  5. 納得感をもって半年間の仕事に向き合う

ちなみに、目標設定の項目は、このようなもの。
・事業部としての目標達成のために自分ができること
・プライベートも含めた個人の目標
・行動のものさし(いわゆる会社のバリュー)に基づいた目標
・チームメンバーに特に見て欲しい行動(評価視点)

狙いはいくつかありますが、
その中でもダブルループラーニングを回すということがあります。

これは、昨年集中講義で学んだリフレクションの中で出会った概念です。

ダブルループラーニングとは、ハーバードビジネススクールのクリス・アージリス(Chris Argyris)が提唱した思考法です。
学びを得るために、行為(アクション)と振り返り(リフレクション)の間を行き来する訳ですが、
ダブル・ループ学習は、行為と振り返りの循環の質を高める考え方となります。

シングルループラーニングと比較するとわかりやすいですね。

シングルループ
1.目標(売上予算、温度設定など)が与えられる
2.実行してみる
3.目標との差分を検知し、方法や行動を微調整する
→ 目標や評価基準自体は不変

ダブルループ
1.同じく行動し結果を得る
2.差分を検知した後、「目標の立て方・前提・価値観」も含めて再検討
3.必要なら目標そのものを再設定し、仕組みや文化を作り替える
→ 組織の“思考の枠組み”まで学習対象に含む

簡単に言えば、
ダブルループラーニングは、
目標と結果の差分だけでなく、そこから目標やそこの生み出した価値観すら疑ってみるということです。

ダブルループラーニングは、自分一人だけではなかなか気がつくのが難しいことが多いです。
どうしても、無意識の前提条件に気がつくのが難しいからですね。

一方、他者からのフィードバックや質問が入ることで、
「確かにそこまで考えてなかったかも、、」という気づきや生まれ、自分の無意識の思い込みや価値観を発見することができたりします。

どちらがいいというわけではなく、使い分けをしていくことが大切です。

シングルループは、早いし目標がはっきり決まっている時はその差分だけを見ればいいので成果が出やすいです。
ダブルループラーニングは、そもそもを疑うので、
時間がかかるしめんどくさいことが多いですね。時間がない時じゃないとできませんし、そんな頻繁にできないものかもしれません。

年度が始める最初の目標設定だからこそ、めんどくさくても丁寧に時間をとって進めていきたいと考えています。

初めての試みなので、どういう結果になるか定かではないですが、
下半期が始まるまでの振り返りにどんな効果が生まれるのかを見ながら進めてみたいと思います。