経営

リフレクション研修振り返り_受講理由前半

6月後半から9月末までの4ヶ月間、一般社団法人21世紀学び研究所が主催するリフレクショントレーナーコースを受講しました。

この講座は、キャリアコンサルタントやコーチ、組織開発コンサルタント、または組織リーダー向けに、人材育成や組織開発における重要なスキルであるリフレクションとダイアローグ(対話)を他者や組織に効果的に導入する方法を学ぶものです。参加者は、良質なリフレクションと対話の実践方法を身につけ、それをクライアントや組織、メンバーに広められることを目指します。

講座を終え、これまでの学びを自分の中で確かなものにするため、振り返りをしていこうと思います。

リフレクションとは?

 

まずは基本的な定義を整理しておきます。

リフレクション(Reflection)とは、自分の内面を客観的かつ批判的に振り返る行為のことです。日本語では「内省」という言葉が近いでしょう。この行為自体はギリシャの哲学者プラトンやソクラテスの時代から行われてきましたが、20世紀末からは「未来を創る力」として、人材育成の観点から世界中で注目されるようになりました。

日本では経済産業省が提唱する「人生100年時代の社会人基礎力」の中でも、あらゆるスキル習得の前提となる力として認識されています。

詳しい説明は別の記事に譲りますが、リフレクションを行うことで自分の無意識の思い込みに気づき、自己変容を繰り返すことができると考えています。また、他者と“良質な対話”をするためには、このリフレクションの概念を体得しておくことが必要だと感じています。

受講しようと思った理由

このタイミングで受講を決めた理由は3つあります。

1. 自社の組織にリフレクションとダイアローグを根付かせ、当たり前の文化にしたい。

たとえば、仕事をしていて次のようなシーンに出会うことはないでしょうか?

  • 血液型で性格を想像してしまう
  • 職業や肩書きでその人の人柄を判断してしまう
  • 出身地でお酒の強さを決めつけることがある
  • 「普通の会社なら〇〇が当たり前だよね」と言ってしまう

これらはすべて「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」に由来するものです。いわゆる「無意識の思い込み」や「固定概念」です。

人は誰しも自分なりの正義や価値観を持って生きています。育ってきた環境や教育、成功体験、失敗体験などがその価値観を形作り、瞬間的に反応してしまうことがありますよね。

ただ、

このアンコンシャス・バイアス自体は誰もが持っているものなので、ゼロにすることは不可能だと思います。重要なのことは「自分の無意識の思い込みに気づき、自己変容していけるか」ではないでしょうか。

最終判断が必要な経営者という役割を担っていますと、この点において非常に共感できますね。自分の価値観や物事の見方を変えることは勇気がいることですし、ストレスを伴います。

自分を守りたい心が働くからこそ、人は「自分は正しい」と無意識に思い込み、自分に都合の良い解釈をしてしまいがちです。

ですが、

他者からのフィードバックを受け入れず、事実を確認しないまま思い込みで突き進んでしまうと、やがて「裸の王様」状態になり、誰からも相手にされなくなる危険性をはらんでいます。物事がうまく進んでいるときは変容する必要はないかもしれませんが、うまくいかなかったときに、周りのせいにしてなにも変わらずに自滅してしまう可能性が大いに高くなってしまうと思います。

リフレクションは、

自分のアンコンシャス・バイアスを自覚し、自己変容を促す有効な手段です。さらに、人にはそれぞれの「正義」があり、意見の対立は人格の対立ではなく、お互いが大切にしている価値観の違いに過ぎない、ということを理解した上で対話をすることが、チームを健全に機能させるために必要だと考えています。

今はまだ10名足らずの組織ですが、これから人数は増えていく予定です。新しく加わるメンバー一人ひとりの価値観を理解し、対話を通じてお互いに信頼を築くことによって、メンバーが才能を発揮できる組織を目指しています。最終的には、「リフレクションしよう!」「ちょっと対話しよっか」といった言葉が自然に飛び交うような文化を根付かせたいと思っています。

あと2つも書こうと思ったのですが、予想以上に長くなってしまったので、頭出しだけして、この辺でやめておきます。

2つ目は、人生100年時代における豊かな働き方を目指して。アルバイトであっても正社員であっても、これからの時代を豊かに生きていくために、リフレクションの力が必要だと考えています。

3つ目は、事業者としての学びを深めるため。事業者のお客様と接する中で、常に学び続ける姿勢が求められていると感じています。